夢を見た

2010年10月2日

ソファでうたた寝して、夢を見た。
Aが、何かボーイスカウトのような物に入会すると言って
嬉しそうに私に書類を差し出した。
それはパソコンからプリントアウトした入会書のようだったが、
登録したメールアドレスは私の物だった。
私はアドレスを自分の物に変えて登録しなおすように言って、
Aに入会書を返した。
Aの顔がみるみる曇った。
そして、その場で書類をビリビリ破き始めた。
私を喜ばせようとしてその入会書を持ってきた事は明白だ。
なのに私は喜ばずAを注意した。
「Aを傷つけたな」
と私は思った。
私は破いている書類をAから取り上げて、しわを丁寧に伸ばした。
そして、それをAに返して言った。
「どうしてもここに入りたいの?」
「うん」
私の聞き方は、だんだんと幼児に語るように優しくなっていった。
「今から入りに行くの?」
「うん」
Aの太い声もだんだんと幼児のように高く甘くなっていった。
私はAの手を取った。
その手は私の手よりも遙かに小さく、そして可愛く柔らかかった。
Aの手を引いて私は駅までの道を歩き、そして途中で手を離し、
ここから先は1人で行くようにと優しく背中を押した。
目が覚めて
少し驚いた。
この夢は私とAの親子関係の足らなかった所を
そのまんま語っていた。
あんな風にAに優しく語りかけていたら。
Aのやりたい事に口出しせずにただ見守っていてあげたら。
きっとAはこんな風に育たなかっただろう。
繋いだ小さな手の感触がやけにリアルで、
あの頃に戻れない虚しさに涙が出た。
                        
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