やっぱり止められない

2010年7月3日

弟の物まで売っていた事で、その日の夜、私がAに確認のために話を始めると、主人が「3日前にパスモに入金するように言って渡した3000円はどうした?」と、言い始めました。

最近は帰りも早く、バイトにも行っているようだし・・・

私は、Aはもう行っていないと信じていました。
甘かったです。

主人の勘は当たっていました。

Aは主人に貰った3千円をパスモにチャージせず、それを持ってパチンコに行ったとアッサリ白状しました。

新台が出て、どうしてもやりたかったから。

と、言います。もう呆れるしかありませんでした。

たった千円でも手に入れば、それを持ってパチンコだかスロットだかに行ってしまう我が息子。

たぶん、Aがパチンコをやる理由と言うのは、儲けたいからではないのです。

ゲーセン感覚なのです。

新機種のゲームが出るとやりたくなる・・・子供の感覚その物です。

つまり、金はドブに捨てたように無くなっていってもAは良心も痛まないのでしょう。

主人は
「もうお前はパチンコ屋に就職しろ。
内定した会社は断って学校も辞めて、住み込みでパチンコに行け。家から出て行け」

と言います。

しかし、私にはAを家から出す覚悟は出来ません。

だって、Aは、金が無くなったら犯罪を犯して手に入れようとするのですから。

お金が無くなったら働かなくてはならない、と言う普通の人間の感覚とは違うのです。

主人は、「こいつが出ていって警察に捕まったら、それはそれで仕方ない」と言います。

しかし、Aの人生はともかく、次男の人生はどうなるのでしょうか。

子供がA1人ならば、私ももう人生全部背負う覚悟でAを追い出せたかも知れません。

犯罪者の弟となる次男の将来を考えたら、私はAに勝手にしろとは、とても言えません。

Aは、次男の物を盗んで売った事に関しても、何も感じなかったと言います。

人の持ち物は、買って返せば良いと言う物ではない。
その物に対するその人の気持ちや思い入れがあるのだ。
同じ物を買って返しても、それは同じ物ではないのだ。
そう言う人の気持ちがお前には解らないのか?

と聞くと、無表情に「わからない」と言います。

人の気持ちが解らない子。
心がない人間。
「ゲーム脳」
とは、こういう脳を言うのでしょう。

この子でも、小さい頃は、貰った物を大切にしたり思い出の物を取っておいたり、そんな部分がちゃんとある子でした。

いつから、こんな人間になって行ったんだろう。

しかし、この人間を育てたのは間違いなく私です。

何処かで間違えた。

でも、何処で間違えたのか解らない。

 

私は、今一度、「カウンセリングに行かないか」とAに言いました。

幸い、早くに内定したAには夏休みがたっぷりあります。

「パチンコをやめなくてはいけない、と言う気持ちはある。」とAは言います。

手を打つ機会は、もうここしか無いと思います。思っています・・・

 

 

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